映画「男はつらいよ」の舞台として世界的に知られている葛飾区。東京駅からは電車で40分ほどと、少し足を延ばしたいときにもおすすめ。近年ではスカイツリーの人気もあり、下町情緒あふれる門前町を堪能したいと多くの人が訪れます。
帝釈天を中心とした門前町は昔ながらの雰囲気を感じつつ、楽しめる観光スポットがたくさんあります。今回は、葛飾柴又寅さん記念館と、山田洋次ミュージアムという、映画にちなんだスポットを2つご紹介します。
寅さんの世界へ迷い込む 葛飾柴又寅さん記念館
柴又駅から徒歩8分ほどの場所にある、葛飾柴又寅さん記念館。葛飾柴又の定番観光スポットです。世界一長く続いた映画として有名な「男はつらいよ」シリーズのセットや小道具を数多く見ることができます。
撮影に使われたセットがそのまま移設されていて、「くるまや」のセットをはじめ団子屋さんの「とらや」など、当時の雰囲気を感じることができます。平成27年には、全国を旅した寅さんの「旅と鉄道」をテーマにした展示が登場しました。
映画作りの片鱗を見る 山田洋次ミュージアム
デジタル化する映画界の中で「最後のフィルムメーカー」として、映画を作り続けた病んだ洋次監督の、映画監督への情熱や思いを見ることのできる博物館です。
山田洋次監督というと、「男はつらいよ」が有名ですが、それだけではなく、これまで作ってきた作品を通し、当時の社会背景や、訴えたかったメッセージなど、「山田洋次のもう一つの世界」を紹介しています。
実際に使われた35ミリの映写機やフィルム、「男はつらいよ」をはじめとして、これまで手掛けた作品の台本や小道具など、ファンにはたまらない貴重な品が数多く展示されています。これらの展示を見てから、再度映画を見ると、新たな見方ができるかもしれません。
休日にだけ開店するお蕎麦屋さん 日曜庵
営業時間は金曜・土曜・日曜・祝日のお昼のみという、珍しいお蕎麦屋さん。店内は白を基調とするシンプルな内装で、自家製粉を使用した手打ちそばが楽しめます。
独自のルールがユニーク もつ焼き宇ち多゛
葛飾で人気のもつ焼きのお店です。いつ行っても行列が絶えず、お店でのんびりしていると、店員さんから声を掛けられてしまうほどです。「アルコール類を飲んでいる人はお断り」「お酒の会計は自己申告」など、注文の仕方や利用の仕方に独自のルールがあり、初心者の方は戸惑ってしまうかもしれませんが、常連さんもたくさんいますので、周りのお客さんを見て注文するとよいでしょう。
創業以来、70年にわたり作り続けているもつ煮込みは、さまざまな部位のモツと味噌のみのシンプルなつくりながらも、コクがありお酒にぴったり。お酒は、「梅割り」「ブドウ割り」という、焼酎にシロップをプラスしたものが人気です。
モツ焼きは、通常のモツ焼きのほかにナマ(ボイルしてある冷製)のものもあります。さまざまな部位が用意されているので、食べ比べを楽しんでみるのもよいでしょう。