神楽坂というと、老舗の料亭などが立ち並び、レトロな雰囲気が今なお残っているエリアです。しかし、近年では再開発が進み、メディアでも取り上げられ週末ともなるとたくさんの若者でにぎわいを見せています。
かつては花街として栄え、一歩大きな通りを離れると情緒あふれる小路がたくさんあります。そんな雰囲気を味わいながら神楽坂エリアで巡りたい、兵庫横丁とかくれんぼ横丁をご紹介します。
映画やテレビにもたびたび登場する 兵庫横丁
兵庫横丁は、神楽坂界隈の最も古い道です。鎌倉時代からの古道で、映画やテレビのロケでもたびたび使用される景色のよい小路です。石畳の路地には老舗の料亭が連なり、レトロな雰囲気の旅館には野坂昭如氏や山田洋次氏などが滞在し、数々の名作を誕生させたと言われています。
新宿区まちなみ景観賞も受賞している情緒あふれる横丁は、戦国時代に牛込城の武器庫(兵庫)があったことが名称の由来です。現在も当時からの趣きは健在で、歩くだけで歴史を感じられる道です。
まるでかくれんぼのような道 かくれんぼ横丁
かくれんぼ横丁は、神楽坂仲通りと兵庫横丁を結ぶ横丁で、「お忍びで遊びに来た人を後ろからつけてきても横に入られるとわからなくなる」ところから名付けられています。
兵庫横丁から続く石畳と同じデザインでとても趣があり、黒塀に囲まれた料亭などが軒を連ね、江戸の佇まいを今に伝える場所でもあります。かつての花柳界の雰囲気も残り、歩くだけで芸者が行きかう神楽坂の様子が手に取るようにわかります。
近年石畳を張り替えた際に、職人が特別なピン頃を埋めました。ハート、星、ダイヤ等の模様があり、見つけた人は幸せになれるというジンクスがあります。ぜひ景観だけでなく足元も注目して歩いてみてくださいね。
気軽に楽しめる本格派フレンチ ル・クロ・モンマルトル
神楽坂のメイン通り、早稲田通りを飯田橋側から神楽坂へ向かっていく途中にあるビストロです。フランス人ソムリエのデュラン・ジャニック氏が「自分が毎日行きたくなるような店」をコンセプトに作ったビストロ。オーソドックスなフレンチを食べることができる小さなレストランです。
店内はまるでパリの街に来たかのような雰囲気。ランチは1,800円からコースを楽しめ、とてもリーズナブルです。ディナーもコースだけでなく、アラカルトで気軽に料理を楽しめるところがうれしいポイントで、気取らずカジュアルに、フレンチが食べられます。
また、ワインにも力を入れていて、オーナー自らがソムリエとしてワインを選んでくれます。値段にとらわれず、料理に合わせた美味しいワインを堪能できます。
クリームパンが絶品 亀井堂
明治時代から続く老舗の煎餅とパンのお店です。現在の「神楽坂亀井堂」は、1階がパンとケーキのお店でその裏は工房となっています。
もともとは瓦煎餅と人形焼で名を博した亀井堂が、ケーキとパンの販売始めたのは約40年前。当初は数寄屋橋にパン屋を構えるなどして販売したそうですが、14年前に神楽坂工場前にパンとお菓子の「神楽坂亀井堂」を開店し、以来焼き立てのパンが食べられるようになりました。
一番人気は昔ながらの形をした「クリームパン」。とにかくクリームたっぷりで、トングでは掴めないほどやわらかく、へらで救うようにして持ち上げて扱います。焼き立てはクリームが熱々でまるでケーキのようなトロトロの食感。何個でも食べたくなる昔懐かしい味わいです。